[CSMO舛田×COO鈴木/前編]マーケティング観点で見る、福岡とLINE Fukuoka

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【お知らせ】2023年10月1日にLINE Fukuoka株式会社からLINEヤフーコミュニケーションズ株式会社へ社名を変更しました。2023年9月30日以前の記事には旧社名で記載しています。
 
こんにちは!LINE Fukuoka Press編集部のゆげです。

LINE株式会社CSMO・舛田が久しぶりに福岡にやってくる!との報を受け、
LINE Fukuoka Press編集部では、「鈴木さんと舛田さんってどんな会話するんだろう…」という好奇心のもと、LINE Fukuoka 株式会社COO・鈴木との対談を実施しました。
当日の様子を前編・後編の2本でお届けします!

前編のテーマは 「マーケティング観点で見る、福岡とLINE Fukuoka」
ともにマーケティングやコミュニケーションの領域でキャリアを重ねてきたふたり。
福岡というまちに対しても、LINE Fukuokaという会社に対しても、「ならでは」の魅力を見出しているようです。

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「流行が生まれる構造」を持つまち、福岡

―福岡のまちに対して、マーケティングの観点から、どんな印象を持たれていますか?

舛田:福岡って、 「流行が生まれる構造」を持ってるんですよね。
まちのつくり上、機能が一定のエリアに密集している。
それはマーケティングの観点で、非常に良い構造だと言えます。

たとえば、「遊びに行くなら天神」などある程度のパターンがあり、だからこそ、そこに流行が生まれます。ネットワーク効果が効きやすくなるんですよね。何か施策を打った時に、「見た」という人も多くなる。ROI(投資利益率)が高い場所だと言えます。

同じ人口でもエリアが広いと、出かける場所もばらばらになり、実は非常に難しくなる。
日本の玄関口のひとつということもあり、国内外から色々なものが次々入ってくるのも特徴的です。

加えて、 まちが元気ですよね。まちが元気じゃないところで何かしようと思うと、まちを元気にするところから始めないといけない。福岡の場合、まちそのものがどんどん活性化して、魅力的になっていると思います。

こうした条件も含めて、LINEの国内第二拠点を福岡というまちに構えた意味はある、と思いますね。

鈴木:その通りだと思います。付け加えると、福岡って、たとえば愛知の自動車産業のように 伝統的な産業があまり多くはないんですよね。新しい知的産業をつくっていかないと、自分たちが好きな福岡のまちに住み続けられないという危機感がある。
だからこそ閉鎖的にならず、新しいものを受け入れて、自分たちも進化していかなければという「空気」が福岡の人にはある気がします。

舛田:オープンマインドなんでしょうね、福岡って。

鈴木:そうですね。

舛田:イノベーションが起ころうとする時って、既存の何かがあると、そこと衝突し出すんですよね。既存の産業や会社、システムを守ろうとする勢力が必ず生まれるから。
福岡はあまりそれを感じないですよね。新しいことも「やってやろう」という空気があって、最近さらに強くなっている気がします。

鈴木:地理的な必然性もありますよね。先ほど「玄関口」と仰っていたように、海外や東京・大阪からも来やすい位置にある。外から来た人たちの知恵や文化を織り交ぜながら自分たちが成長していると理解していて、だからこそのオープンマインドなんだと思います。


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「まずひとりのファンをつくる」ことが重要な時代

―LINE Fukuokaでは、LINEにおけるマーケティング機能の一部を数年前から担うようになりました。LINEとして、福岡でマーケティング活動を行う意図は?

舛田:まず、LINEそのものの変化に伴って、LINE Fukuokaの役割も変化していますよね。「第二の本社」として、最初は運営の機能があり、その後開発やクリエイティブが加わった。そこまでが第一フェーズ。
第二フェーズとして、福岡というマーケットを見てもらう役割が加わった。
背景には、 LINEがオンラインからオフラインへ対象を拡大した、という変化があります。

オンラインを対象にしていると、東京からでもマーケティングができる。
でも我々は、2017年に「スマートポータル」、2019年に「Life on LINE」というビジョンを掲げて、スーパーアプリへ移行しようとしている。

オンラインに加えてオフラインもとなった瞬間に、LINE Fukuokaというチームが、福岡のまちに対するエリアマーケティングや、地域にいる利点を活かしたテストマーケティングをするという役割が生まれた。

鈴木:そうですね。よく「LINEとLINE Fukuokaってどう違うの?」と聞かれるのですが、LINEグループとして同じ方向を向いているというのが大前提。「東京にあるLINEに対して」という向き合い方じゃない。
LINEがどんな変化をしているか、していきそうかを踏まえて、LINE Fukuokaがどう貢献できるかを常に考えています。

仰るように、オフラインに対象が広がったことはひとつの起点ですね。
東京のことはもちろん東京でわかると思いますが、日本に暮らす多くの人は東京以外に住んでいる。
東京以外にいる人が何を思っているか、LINEのサービスをどんな風に使っているかを理解してサービスに還元するのは我々の役割かもしれない、と考えました。

舛田:そうですね。加えてもう一つの視点があって。
マーケティングやサービスのトレンドから言うと、対象を画一的に扱うことがもうできなくなっている。

たとえばマス的にサービスを使ってもらおうと思ったとしても、順番としては、 「まずひとりのファンをつくる。」その次に、100人のファンをつくりましょうと。
それがコアなユーザーになり、そこで生まれる熱量が外に伝播して、大きな集合体になる。さらにその集合体がたくさん集まって、徐々に大きなユーザーベースができる。
LINEもそんな風に育ったサービスです。

従来はテレビCMでドーンと広げる、というようなマスマーケティングや、そこから刈り取るマーケティングが機能していました。

でも今はサービスがすぐにコピーされてしまう時代です。
ゆえにどうやってファンになってもらうかが大事で、ファンになってくれたからこそ、その人たちは定着する 。

それを考えても、Smart Cityのような取り組みも含めて、福岡というまちで、LINE Fukuokaのメンバーが、福岡のLINEユーザーにファンになってもらえるよう動くというのは、実は非常に理に適っていると考えています。


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8300万の「1人」と向き合う

―おふたりはともに企画やマーケティングのキャリアをお持ちですが、企画をする上で大切にしていることはありますか?

鈴木:「ターゲット」や「ユーザー」と言っているものの解像度を大事にしています。

前職で、企業の採用をサポートする仕事をしていたんですが、たくさんの方を採用したい大企業から、ひとりだけ採用したい中小企業まで担当していて。

大企業ばかりを担当していた時って、「ターゲットは」みたいな言葉を使ってしまって、
それは誰なのかというのがだんだん荒くなっていった。

一方で、その企業で本当にひとりだけ欲しいとなったら、
そのひとりって具体的に誰?もしかして俺の友だちかな?と考え方が変わっていった。
それは自分が仕事をする上での原点で、大事にしているものではあります。

LINEはユーザーファーストというのを大事にしていますが、
実際に仕事をする時に「ユーザーが」と言ったとたん、対象がぼやけてしまう。
自分なのか、自分の奥さんなのか、友だちなのか、誰かを想像する。しかもその人は実際にLINEを使っている可能性が高いので、この人だったら受けそうとか、この人だったらだめそうとか、具体的に考えることが大事だと思っています。

舛田:私も社内へのメッセージとして、よく言ってることがあって。
「世界に1億6400万人、日本で8300万人以上の ユーザーがいて」と話すと、あたかも8300万というかたまりが存在しているように錯覚してしまう。でも私たちが考えなきゃいけないのは、 「1」が8300万いるということ。

そこを意識しないと、ひとつのブロックとして、「同じもの」として見てしまう。そんなことはあり得ないはずなのに。
その時点でもう、我々の言っているユーザーファーストからずれてしまう。

「Aというユーザー層に対してこの施策を打ちます」という提案を私もよく受けるんですが、その「Aというユーザー」が存在しないのではと疑う時があるんですよね。

自分たちが理想とするユーザーはその「A」なんだろうけど、「A」に該当するユーザーってどこにいる誰なのかと。
たとえば、LINEグループの社員だけでも8000人以上います。その中にも「A」に該当する人がいないなら、たぶん世間にも存在しない。

PRの考え方も同じで、たとえばSNSで発信する時に、その投稿は誰に受け取ってほしいのか、誰にどう思われたくて、どう行動してもらいたいのか。
そこを意識していないと、ライクがいくつ付きました、シェアがいくつ付きましたという平たい数字の話だけになってしまう。

投稿を届けるべき人に届けられたかどうかだけが大事で、実はそれ以外はあまり重要じゃない。ユーザーというものをどれだけリアルに意識できるか、ということですね。

ユーザーを意識する、という観点で言うと、LINE Fukuokaのメンバーは、福岡のまちと、福岡に暮らす方々と日々接している訳ですよね。すれ違う人、同級生、同僚、家族、パートナー。
この生活を感じ取っているのは武器だと思います。

実は福岡のメンバー、すごく敏感だなと感じているんです。
LINEやユーザーの変化をすぐに感じ取って、なんなら即、動き出す。そこはマネジメントの効果もあるだろうし、日々福岡のまちや福岡で暮らす方々と接しているという背景もあるんだろうなと。

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CCやモニタリングまでが「LINE」というサービス

鈴木:社員が福岡で暮らす方々と日々接していることに加えて、LINE FukuokaではLINEユーザーからのお問合せに対応するカスタマーケア(以下CC)などを行っているので、企画のためのユーザーリサーチ以前に、 24時間365日ユーザーと向き合っているという特徴があります。だからこそ、「最近同じ内容の問い合わせが多いな」とか「今LINEの好感度が上がってる/下がってる」みたいなことを感じ取っている。

舛田:CCって最前線なんですよね。ユーザーはCCとのやりとりの中で、LINEというサービスの、さらにもっと深い部分を感じてくれる。まさに8300万人とダイレクトにつながっている仕事だということをCCのメンバーには意識してほしいし、このユーザー接点の貴重さをグループ全体で理解していないといけない。

鈴木:CCのオフィスで、ユーザーからのサンクスメッセージをカードにして貼ってるんですけど、「おかげで復元できました」とか、そういう声って本当にリアルですよね。CCのみんなの頑張りでこういう声が返ってくる。

舛田:CCのみんなのアクションによって、ファンになって頂けるかどうかが決まる。
たとえば問い合わせてもたらいまわしになってしまったら誰もファンにならないし、逆に相手の困りごとを解決できたらその一瞬で全てが変わる。
それまでネガティブな印象を持っていても、「良い対応をしてもらった」とか「助かった」とか、その瞬間からユーザーとLINEとの関係性は劇的に変わる。

よく「態度変容」という言葉をマーケティング用語として使いますが、 CCって態度変容を起こせる場なんですよね。ユーザーと向き合えて、ユーザーの気持ちを変えていける。

鈴木:特にLINEって面白いなと思うのが、たとえば今ここにあるミネラルウォーターのCCを考えてみると、「飲む」行為と、飲んで変な味だなと思って問い合わせのために「電話する」行為って分断されてるじゃないですか。

でもLINEの場合、LINEのサービスを使いながら、おかしいなと思ったらその画面のままチャットで問い合わせたりするので、ユーザー的にはサービスと問い合わせの境目を考えてないと思うんですよね。 一気通貫、全てをLINEのサービスとして体験している。

CCはもちろん、モニタリング(インターネット上で公開されている誰でも閲覧できる場に不適切なコンテンツが存在することを防ぐ仕事)なども、サービスの一貫としてシームレスにつながっている。LINEというサービスの価値を高める意味でも非常に重要度が高いです。
逆に言うと、そこで変な対応をするとサービスの価値が下がるし、そこで良い対応をすることはサービスをつくっているのと同じこと。

舛田:そうですね。CCやモニタリングは、今後どんどんAIが入ってくる領域です。
でも今の仕事がなくなる訳ではなく、前さばきをAIがやってくれるようになる。だからこそさらに深いところ、まさに 態度変容が起こせそうな場所にもっと丁寧に、想いを込めてやれる環境になっていくと思うんですよね。

AIに学習させるのにもルールが必要なので、その判断は最終的に人がやらないといけない。技術を活用しながら、今ユーザーから届いているような感謝の声がひとつでも多く生まれる構造をどうつくっていくかを考えるのが、これからの時代なんじゃないかと思います。

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後編では、「組織を前進させる“言葉”と“動機”」をテーマにお届けします。
どうぞお楽しみに!


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