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「異なる視点が重なるからこそ、優れたプロダクトが生まれる」ーエンジニアとプランナーの〈良い関係〉とは?

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先日LINE Fukuokaで行われた LINE SMART CITY FOR FUKUOKA ハッカソン
「スマートシティの実現」をテーマに、一般公募で集まったプランナー・デザイナー・エンジニアが2日間にわたり、サービス開発に取り組みました。

当日の審査員を務めたのは、LINEのサービス開発に取り組む開発3室とビッグデータ解析等を担うData Labsの室長を兼務する 上野、Smart City戦略室 室長の 南方
当日の様子を振り返るとともに、「エンジニアとプランナーの良い関係」をテーマに意見を交わしました。

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左: 上野 英治(うえの・えいぢ) 開発3室/Data Labs 室長
福岡県出身。Webサービス開発、SIer、デリバリーピザチェーン本部の社内SEなど様々な開発を経験。再度Webサービス開発でのキャリアを考え2015年3月LINE Fukuoka入社。2018年1月より現職。LINEファミリーサービス開発やサーバー監視システム、データ分析・機械学習チームを統括。

右: 南方 尚喜(みなかた・なおき)Smart City戦略室 室長
東京都出身。 リクルートグループにて求人・販促広告制作や新規事業のマーケティングプロセス設計、AI・チャットボットを活用した原稿制作自動化プロジェクトなどを経験。 2018年1月、LINE Fukuoka入社。2018年12月より現職。 福岡市との包括連携協定に基づく各種取り組みなど、「Smart City for Fukuoka」プロジェクトを統括。



初めての合同ハッカソンを終えて

身近な課題と向き合うからこその没入感。アイディアが形になる嬉しさ


―プランナーとエンジニア、合同でのハッカソン開催は初めての試みだったかと思います。実施してみて、いかがでしたか?

上野:開発だとハッカソンはよくあるんですが、技術的なところにフォーカスすることが多いんですよね。検討テーマをここまで絞っているのはあまりないと思います。

今回はテーマが絞られていたのもありますが、参加者に福岡の方が多かったので、皆さん自分が経験した問題や課題に基づいてアイディア出しをしていた印象です。かなり没入感が高いイベントだったんじゃないかと思います。

南方:僕らもよくアイディアソンはやるんですが、基本的に案を出して終わりなんですよね。
今回はそれがちゃんと形になった。それが僕らからすると新しいし、いいなと思いました。

上野:「スマートシティ」というテーマで、かつそれをLINE Fukuokaが主催するということで、参加者のモチベーションも高かったんじゃないでしょうか。そこでいいものをつくれば実際に福岡市などで使われるのでは、という期待が持てた。

学生さんが多かったのも印象的でしたね。実際の課題をどう解決するかというテーマって、ベテランの方が得意だったり興味があったりするのかなと思っていたんですが。学生の皆さんも、福岡のことをすごく考えている。

あれは良いイベントだったなと思います。次やるなら、LINE Fukuokaの開発チームも出たら面白そうですね。僕らにとっても、参加者にとっても、良い刺激になりそう。

南方:いいですね。それイベントじゃなくてガチでやりましょうよ。(笑)

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お互いに期待すること

双方の視点が重なるところに良いものが生まれる。
フラットに意見を言い合える関係性は必須。

―実業務でも、「プランナー」と「エンジニア」は一つのプロジェクトの下、共に動くことが多いかと思います。双方に、その道のプロとしてどんなことを期待しますか? 

南方:僕らプランナーがアイディアを考える時って、どうしてもマーケットインの発想になっちゃうんですよね。それはそれで良いのですが、もっとプロダクトアウトで考えなきゃいけない時もあると思うんです。

ただ僕らはどうしても、技術に詳しくなかったり、LINEでどこまでできるか理解しきれていない部分も正直ある。
今回のイベント一つ見ていても、エンジニアの皆さん、プロダクトアウトで考えられている方が多かった。マーケットのことを無視している訳ではないんだけども、「実現可能性はいったん置いといて、こんなのあったらいいじゃん」と。それがいいなと思いましたね。

上野:そうですね。エンジニアも普段はそれが実現可能か現実主義で見ることが多いんですが、ああいうイベントになると特に「まあ、それは置いといて」と、いい意味でたがが外れる感じはあります。

南方:僕らだと、「実現可能性は一旦おいといて」とすると無限に広げていって発散しがちなんですよね。でもエンジニアの方々は、実現できる範囲で広げている。そこの塩梅がやっぱり違うなと思いました。

上野:プランナーや企画の人たちはそうであってほしいなとも思いますね。型にはまったものだけを持ってくるんだったら、エンジニアと見方はそんなに変わらない。
でもやっぱりプランナーの方、特にLINEのそのポジションにいる方って、本当に色んなところにアンテナはって、情報を拾ってきてるじゃないですか。エンジニアよりも相対的に入手する情報が多いと思うんですよ。

我々が思いもつかなかったようなアイディアを見せてくれると、エンジニアは「おっ!」って思う。それを受けて、実際にどう形にするかは逆にこちらの仕事だなと思います。「これはこうした方がいい」とか、「もっと他のいいやり方があるよ」みたいな提案をして、お互いに価値を高めていけるといいなと思います。

南方:そうですね。「お互い」っていうのが大事だなと思います。
たとえば「プランナーとエンジニア」にしても、「プランナーとPR」にしても、上流・下流って捉えてしまう人も多いじゃないですか。
プランナーが考えたものを、形にしなさい、PRしなさい、みたいな。

もちろん、プランナーが考え抜くのは大前提なんだけど、エンジニアもサービスプランニングに対して当事者意識を持って参加してほしいなと思うし、PRも決められたことを発信するんじゃなくて、「こうしたらもっとバリューが出る」とか、むしろ「そんなプロダクトならPRの価値ねえ!」ぐらいに言ってもらってもいい。 お互いに関与していく。そこは大事だなと思いますね。

上野:そうですね。変に線引きをして、自分の役割はここだから、とするよりも、自分がどれだけ関与していけるか。オーナーシップを持ってやってくれる人の方が、評価もされるし、プロダクトとしても良いものをつくり出していると思います。

南方:プランナーとエンジニア、どちらか片方が考えたものをやるのではなく、 お互いのマーケット視点とプロダクト視点、両方がうまく重なるからこそプロダクトとしての幅ができて、良いものができる。
それがただの主従関係になるとプロダクトの幅が狭まってしまいますよね。

上野:同意ですね。プロダクトをつくる上で、関係者がそれぞれのアプローチでミッションやビジョンに向かっていかないといけない。それを実現するためには、 みんながフラットに意見を言い合って、新しいものを良くしていこうという空気が必要不可欠ですよね。

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これから一緒にチャレンジしたいこと

ビッグデータを分析し、最適な戦略を導き出す

南方:Data Labsとも、もっと色々やっていきたいんですよね。文字通り、データの宝庫だと思うので。でも僕らはどんな宝がそこに眠っているかわかっていなかったりする。

上野:そうですね。その辺はまさにData Labsの力の見せどころ。データを扱うプロとして、どのデータにどれだけ価値があるか、それを使ってどういうことができるか、わかりやすく、かつ意味のあるものとして提供できるかどうか。

南方:以前、Data Labsに出してもらったデータの中に、「サービスAの利用者はサービスBの利用率が高い」というものがあったんですよね。それは今僕らの戦略の肝になっています。
サービスBの利用を推進するにあたって、むやみにキャンペーンを打つのではなく、サービスAを磨きこんで利用率を上げることが結果的にサービスBの利用率向上につながることがわかった。

データから読みすぎな部分もあるかもしれませんが、 「ここに相関がありそうだな」というのが見えたことで、僕らの戦略の中でも、コアにすべき部分を定めることができた。

上野:僕らが持っている先入観ってけっこう強くて。だけど実際データを見たら全然違うものが出てくることがある。そこを気づかせる、浮かび上がらせる仕事ができた時っていうのが、分析をしている人間からすると、「やった!」となる瞬間ですね。

南方:まだまだ可能性がありそうですよね。たとえば粗大ごみ受付のLINE公式アカウントを使ってる人は、LINEのこの既存サービスを使ってる人が多い、などの相関が見えると、またできることも増えてくると思うんです。我々もこの1年、様々なサービスをつくってきたので、その利用率を高めるためにもデータの活用は考えていきたいですね。

上野:そうですね。それはぜひ今後も一緒にやっていきましょう。

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お互いのチームは、どんな風に見えている?

「スピード感や具現化する力に優れたいいチーム(上野)」
「プロとしてのアドバイスに、いつも助けられてる(南方)」

―お互いのチーム(Smart City戦略室/開発3室・Data Labs)は、双方からどんな風に見えていますか?

上野:Smart City戦略室は立ち上がりからまだそんなに時間がたってないと思うんですが、勢いたるや、すごいですよね。
プロダクト1個1個のリリース速度もそうだし、この間の 福岡市美術館でのイベントみたいに、 積極的な展開やスピード感、具現化する力、プロダクトの価値を高める力に優れたいいチームだなと思って見ています。
最近だと大学との連携なども良いですよね。戦略としていいなと思ってる。

南方:僕から見ると、特に接点が多いのはData Labsの皆さんなんですが、例えば僕らが取りたいデータが、規約的に取れないなど難しいこともあると思うんです。
でもその時に「できないから無理です」で終わらず、「こういうもので代替することで、それに近しい傾向を見ることができます」という風にアドバイスをくれて、様々な成果をモニタリングできるようになったりしてるんですよね。
そこはやっぱりプロだなと。ありがたいなと思いますね。

上野:依頼を鵜呑みにするエンジニアはそもそもだめだと思うし、100%無理と断るのもあまりよくないと思っていて。
でてきたアイディアに対して、 本質的に何がしたくて、どうしたらできるかをしっかり考えて提案できるのが、僕らが良しとするエンジニアの姿ではありますね。

南方:あと、Smart Cityに興味を持ってくれてるエンジニアの方、けっこう多い気がして。

上野:それは確かにいますね。(笑)

南方:自分たちが住んでる地域に対しての貢献というのもあるし、それがLINEのテクノロジーによって実現できているってところに、素直に興味を持ってくれているのかなと。
僕らからすると、そんなエンジニアの方々にぜひ協力してほしいんですが。(笑)
福岡で暮らすエンジニアならではの働き方にもなりそうですよね。

上野:そうですね。それは僕らもある種の課題と思っています。
今開発で担当しているプロダクトは規模も大きいし、ユーザーや社会に与えるインパクトも大きい。それもやりがいがある仕事です。
一方で自分が住んでいる街に対して、自分の会社で貢献できるっていうのは、それだけですごく魅力的だし、そういうところにもっと関わっていける体制をつくっていかなければと思っています。

南方:社内にこれだけ優秀なエンジニアがいるので、一緒にやれる機会はもっと増やしたいなあと思いますね。

上野:そうですね。社内イベントでもなんでも良いので、まずは機会をつくっていきたいですね。

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もしもお互いが、自分のチームに1ヶ月来てくれるとしたら?

「プロダクトの改善すべき点をビシバシ指摘してほしい(南方)」
「価値向上に向けて、チームを引っ張ってほしい(上野)」

―もし上野さんが南方さんのチームに、南方さんが上野さんのチームに来てくれるとしたら、お願いしたいことはありますか?

南方:僕らがこの1年やってきたプロダクトを見てもらって、「もっとここ改善せい!」っていうのをエンジニア視点でびしびし斬っていってほしいですね。

上野:(笑)
レビュー的なものですね。
僕はもし南方さんに来てもらえるんだったら、どこかプロダクト開発をしてるチームに入ってもらって、「そんなんじゃ価値あがんねえよ!」みたいにまわりをぐいぐい引っ張って、価値向上させてもらいたいですね。そこがSmart City戦略室の優れている部分、素晴らしいなと思っている部分なので。

南方:あおりますからね、僕。(笑)

上野:ガンガンにあおっていただければ。(笑)

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ファシリテーターが入る隙が無いほどに、テンポよく繰り広げられたふたりの会話。
そこからは、異なる領域の「プロ」として、お互いへの強い興味やリスペクトが感じられました。

LINE Fukuokaでは、「プランナー」「エンジニア」ともに募集中です!
ご興味をお持ち頂いた方は、ぜひこちらの募集要項をご覧ください。


上野・南方のインタビュー記事はこちらでも公開しています!
おまけ

もしもエンジニア/プランナーじゃなかったら?

―おふたりは今のお仕事に満足されてると思いますが、もしもエンジニア/プランナーでなく、かつ保有スキルを気にせず、LINE Fukuoka内でどんな職種でも選べるとしたら、興味があるポジションはありますか?

上野:デザイナーですかね。実は昔、デザイナーになりたかったんですよ。けど、諸々才能の無さとかに挫折をして今に至るので。(笑)

南方:クリエイティブの才能あるのはかっこいいっすよねー。

上野:そうなんですよ、クリエイティブの才能に憧れます。しかもデザイナーってちょっとアート寄りというか。かっこいいなーっていうのは今も思ってます。

南方:うちのチームでこの間、絵心選手権やったんですけど、みんなひどいもんでした。(笑)

上野:(笑)

南方:僕は元々コーポレート部門に入社したんですよね。経営企画のポジション。なので、僕としてはLINE Fukuokaという会社そのものが、福岡で一番素敵な会社であってほしいというのが一番のモチベーションなんです。

Smart Cityも勢いづいてきて、福岡という場所そのものも今日本の中ですごく盛り上がってきてる。そしてLINEそのものも、今、次のステップに進もうとしている感じがある。
だからLINE Fukuokaも、よりチャレンジングな会社に生まれ変わっていくタイミングなのかなと思っていて、そういう新しい会社のカルチャーをつくっていくことに実は関心があります。それをわかりやすく姿として見せられるひとつの方法がSmart Cityなのかなと。
だからそうだな、興味があるのは、コーポレート部門ですね。

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